『FIRST PENGUIN』感想

 上月琴葉さんの短編集、『FIRST PENGUIN』について。

中身は光属性多めで
宇宙の欠片と水晶少年(HL 現代ファンタジー)
アマガサ×ドロップ(HL 現代ラブコメ)
スノゥメイカー(現代ファンタジー)
夏に眠る(SF(少し不思議))
君に架ける橋(現代友情もの(男))
火星と月の羽(童話ファンタジー)
その血の色が紅いのは、(吸血鬼微百合)
promise(現代ファンタジー?HLと微百合)
FirstPenguin(書き下ろし)
となっております。

(Pixiv FanBoxでの紹介文より)

 以下、各話へのヒトコト。

宇宙の欠片と水晶少年
 不思議で神秘的な縁に導かれたボーイ・ミーツ・ガールなお話。星や鉱石に惹かれる方には、とてもよく刺さるお話でした。居場所はきっとあるんだと、信じたい方にも。

アマガサ×ドロップ
 ほっこり尊い、現代恋愛物。占いの繋ぐ、甘い縁の物語に胸がキュンキュンします。

スノゥメイカー
 ほんのり温かい冬の物語。ロマンスの後ろに隠されがちな悲哀を救う光の創作。

夏に眠る
 とても切ない、滅びた世界のお話。涙腺崩壊しそうな話の一つ。

君に架ける橋
 尊い絆の物語。エモいです。きっとキセキ君は、天からの授かりものなのでしょう……。

火星と月の羽
 童話のような顔をしながら、がっつりファンタジーなお話。神話の世界から人間の時代に至るまでを舞台にした、短さを裏切る壮大な物語です。

その血の色が紅いのは、
 耽美で切なくも、美しいお話。上月さんの創作世界によく登場する月の子どもたちの、神秘の一欠片。

promise
 涙腺崩壊系のお話の一つ。響き合う魂の物語。描かれるのは、切ない前世からの縁に導かれた出会い。

First Penguin
 書き下ろされた短編で描かれるのは、一見とてもほのぼのとした光景。けれど、込められた決意の美しさに、きっと私は息を呑んだ。