『在りし日の』感想

 うらひとさんの短歌集、『在りし日の』は、ノベプラにて連載されているほか、BOOTHでも購入することができます。創作短歌の他にも、ご自身の小説をモチーフとしたもの、作中短歌などがあり、うらひとさんの創作を知れば知るほど味わい深さが増していきます。

 今回はBOOTHで購入しましたが、製本版でも読み仮名が振ってあったり、行間や文字の大きさにも気が配られていて、読みやすいです。

 短歌集ということで、一作一作はたったの31字。栞さえ持ち運んでおけば、少しの時間でも読み進めることができます。また、テーマごとにまとめられてもいるので、その日の気分で好きな短歌を読むのも楽しみ方の一つでしょう。

 個人的には創作短歌に共感できる部分が多く、特に日常をうたったものにクスッとできるほか、創作活動によせてまれた短歌にも深くうなづいたりしました。一方で、小説中の登場人物をモチーフとしたものや作中短歌も、情景が目に浮かぶようで、趣深く楽しませていただきました。

 忙しい日々の合間にも文学と触れ合いたい方にオススメしたい作品です。どちらかと言えば日常系に分類されますので読み始めるのに精神的な気合は要りませんが、短歌は限られた文字数の背後に様々な物語や情景があり、時間のある時にじっくり頭を使いながら読むのも一興です。