カノンカノン(彼の視点)

彼の視点・翌朝

 朝陽《あさひ》が目に刺さった結果、心地よい微睡《まどろみ》と別れた。今まで、朝陽が目に刺さるほど、強烈だったことはないが……。 無意識のうちに掻き抱いていたらしい、腕の中の温もりが身動《みじろ》ぎする。 このままこの温もりを抱いていられる…

彼の視点・夜

 気付けば今日の戦《いくさ》も、その後片付けすらも終わっており、天幕の中はすっかり暗く。随分と勿体無い時間の使い方をしたものだと、頭を抱えたくなった。 いくら私が長命種の部類に入るとはいえ、非理論的かつ堂々巡りの考え事で何も手に着かなかった…

彼の視点・昼

 綺羅綺羅《きらきら》と目に喧《やかま》しいのは、煌《きら》めく刃《やいば》か、魔法の残滓《ざんし》か。咆哮《ほうこう》に絶叫、怒号に悲鳴、これだけ離れているのに、煩《うるさ》くて仕方がない。天幕を震わせるのは血生臭い風だけではなく、支柱を…