短歌集
早くから 蝉は鳴く鳴く 陽も照って うっかり起きる 休日の朝
朝起きて 外は仄かに 暗いまま 白い吐息の 足音を聞く
まなぶたを とじてぐらりと ゆれるのは わたしのせかいか よのなかなのか
Tシャツで 見上げた先に 紅葉散る 揺らぐ天津地 平穏はいつ
薄墨を 頭上に透かし 仰ぎ見た にじむ景色で 空気を洗う
重いのは 水吸う服か 偏頭痛 今日も天では バケツが転ぶ
肩が凝る 行き過ぎもはや 頭痛する 漬物石が 不要な背中
占いに 天啓求め 試するも 人事尽くせと お叱り受ける
俗に言う 地震雷 火事親父 東日本を 拝みて憂う
玉子焼き 茫と眺めて 汗拭う 熱変性は もはや戻れぬ
蝉すらも 声を潜めて やりすごす 今年の陽射し 殺人光線
ただおもい ひたすらおもい そのおもさ たにんはしらぬ じぶんもしらぬ