長歌集

読み終えて 思わず睨む 天井は 何も答えぬ 当たり前 響く余韻に 身を任せ カップを手繰り お茶飲んで ふうと一息 背を伸ばし 綴る感想 反撃のため

指先に ざらりと返る 質感の 軽さに反し 手首には ずっしり重く 手応えが あるはずなのに 気にならぬ もう読み終える 寂しさで そっとためいき 栞を置いた